沖縄では、米軍基地周辺で子どもの命を脅かすことが頻発している。 もし、自分の子どもや孫が通う学校に、重さ8キロもあるヘリの窓が落ちてきたら…。 想像してほしいと、菜の花さんは懸命に言葉を紡ぎ続けた。 その澄み切った彼女の姿と言葉は、分断が進む時代にあって“希望”そのもの。 映画で描いているのは、ひとりの少女の小さな小さな声―。 でも、その声が、県境を、国境を越えて、きっと誰かの心に届く。 そう、信じています。
1977年生まれ。琉球大学社会学を専攻。99年沖縄テレビ入社。2006年に初のドキュメンタリー番組「過疎の村に響く子守歌」を制作、その後、医療・福祉・移民・原発・基地問題など一貫性のないテーマでドキュメンタリーを制作。共通するのは、主人公が社会や人のために闘う人!ということのみ。「OTV live News it!」のキャスターを務める。主なディレクター作品に「ヘリコプターを私にください」(09・FNSドキュメンタリー大賞 特別賞)、「どこへ行く、島の救急ヘリ~続・ヘリコプターを私にください~」(11・日本民間放送連盟賞 優秀賞/ギャラクシー賞 奨励賞)、「シリーズ 復帰を知る」(13・ギャラクシー賞 報道活動部門 優秀賞)、「おなじ空の下で」(13・ギャラクシー賞 奨励賞)「沈黙を破る時~米軍機墜落の恐怖、今なお」(13・ギャラクシー賞 奨励賞/報道活動部門 奨励賞/ FNSドキュメンタリー大賞 特別賞)、「まちかんてぃ~明美ばあちゃんの涙と笑いの学園奮闘記」(15・日本民間放送連盟賞 優秀賞)
沖縄県豊見城市生まれ。1998年から沖縄テレビ報道部カメラマンとして報道現場に立ち、取材を担当沖縄の今を捉えてきた。これまで関わった作品に「民教協スペシャル 戦争を笑え 命の御祝事さびら!沖縄・伝説の芸人 ブーテン」(06・放送文化基金賞 ドキュメンタリー番組賞)、「おなじ空の下で」(13・ギャラクシー賞奨励賞)、「沈黙を破る時~米軍機墜落の恐怖、今なお」(13・ギャラクシー賞奨励賞/報道活動部門 奨励賞/FNSドキュメンタリー大賞 特別賞)がある。
1964年生まれ。琉球大学社会学科でマスコミを専攻。学生時代は、琉大映画研究会で8ミリ映画製作に明け暮れた。1989年、沖縄テレビ入社。以後、バラエティーや音楽・情報番組などの企画・演出を手がけ、数多くの若者向け路線の番組を制作する。2002年3月に報道部に異動。「沖縄戦」に関する取材を始め、沖縄戦から60年という節目に、米軍が撮影したフィルムの検証と調査を続け「むかし むかし この島で」を制作し多くの賞を受賞。その後、制作部へと再び異動。10年、日本映画史上初の快挙となる、中学生映画監督を追いかけたドキュメンタリー「カントクは中学生」を手掛け「ギャラクシー賞・選奨」を受賞。18年から全国公開されているドキュメンタリー映画『岡本太郎の沖縄』には、構成とプロデュースで参加している。
※上映劇場が変更となる場合がありますので、
鑑賞の前に必ず各劇場にご確認ください。
地域 | 劇場 | 電話番号 | 公開日 |
---|---|---|---|
沖縄 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | 上映終了 |
東京 | ポレポレ東中野 | 03-3371-0088 | 上映終了 |
石川 | シネモンド | 076-220-5007 | 上映終了 |
神奈川 | シネマ・ジャック&ベティ | 045-243-9800 | 上映終了 |
神奈川 | あつぎのえいがかんkiki | 046-240-0600 | 上映終了 |
北海道 | シアターキノ | 011-231-9355 | 上映終了 |
岩手 | 盛岡ルミエール | 019-625-7117 | 上映終了 |
宮城 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | 上映終了 |
茨城 | あまや座 | 029-212-7531 | 2020年11月14日(土)~ |
群馬 | 前橋シネマハウス | 027-212-9127 | 上映終了 |
長野 | 長野ロキシー | 026-232-3016 | 上映終了~ |
新潟 | シネ・ウインド | 025-243-5530 | 上映終了 |
富山 | ほとり座 | 076-422-0821 | 上映終了 |
三重 | 進富座 | 0596-28-2875 | 上映終了 |
愛知 | 名古屋シネマテーク | 052-733-3959 | 上映終了 |
京都 | 京都シネマ | 075-353-4723 | 上映終了 |
大阪 | 第七藝術劇場 | 06-6302-2073 | 上映終了 |
兵庫 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 上映終了 |
岡山 | シネマクレール | 086-231-0019 | ※順次公開※ |
広島 | 横川シネマ | 082-231-1001 | 2021年1月22日(金)~ |
愛媛 | シネマルナティック | 089-933-9230 | 上映終了 |
福岡 | KBCシネマ | 092-751-4268 | 上映終了 |
佐賀 | シアター・シエマ | 0952-27-5116 | 2020年12月25日(金)~ |
大分 | シネマ5 | 097-536-4512 | 上映終了 |
熊本 | Denkikan | 096-352-0110 | 上映終了 |
石垣 | ゆいロードシアター | 0980-83-3150 | 上映終了 |
宮古島 | よしもと南の島パニパニシネマ | 0980-75—3215 | 2020年11月13日(金)~ |
沖縄 | ミュージックタウン音市場 | 098-863-2821 | >上映終了 |
沖縄 | シアタードーナツ | 070-5401-1072 | >2020年11月12日(木)~ |
コメント
本土に暮らす多くの人がこの作品を観て、自らの加害性に気づくことができるなら、この国はその瞬間に、きっと少しだけ変わるはずだ。
森達也
(映画監督)
抗議活動が大きくなる「恐れ」、最悪の「タイミング」…沖縄で起きていることを報じる言葉の一つひとつに、彼女の心は繊細に揺れ動く。そして私も一緒に、揺さぶられる。この映画を観終わっても、なお。
安田菜津紀
(フォトジャーナリスト)
本土から沖縄へやって来た15歳の少女の視点で描いた「沖縄問題」。その発想が斬新で見事。柔らかな語り・描写の奥に、苛烈な哀しみと怒り、そして涙が溢れている。それでも本作は、「渾身の希望」を余韻に置いた。
横山隆晴
(近畿大学 教授/元フジテレビ・プロデューサー)
身構えることなく、すっと観られる映画。沖縄の「普通の人」の声や日常をどう伝えれば良いか、沖縄報道に長年関わり悩んできたが、正直「やられた」と脱帽しました。一人でも多くの人に観てほしい!
伊東聖
(朝日新聞西部報道センター長/前那覇総局長)
「現場」は大切だ。実際に行って、本当の色を知る、360度見渡す、肌で風を感じる、匂いを嗅ぐ、騒音を聞く。もちろん、人に会い、話を聞き、目の訴えを感じる。それは、聞く方も聞かれる方も、考える作業の連続だ。その結果、一人の少女が成長し、彼女の眼を通して僕らも成長する。これがまさにジャーナリズムの所作そのものであって、監督の平良さんはそれをサラッとやり遂げていて格好いい。
山田健太
(専修大学ジャーナリズム学科教授)
「現場」は大切だ。実際に行って、本当の色を知る、360度見渡す、肌で風を感じる、匂いを嗅ぐ、騒音を聞く。もちろん、人に会い、話を聞き、目の訴えを感じる。それは、聞く方も聞かれる方も、考える作業の連続だ。その結果、一人の少女が成長し、彼女の眼を通して僕らも成長する。これがまさにジャーナリズムの所作そのものであって、監督の平良さんはそれをサラッとやり遂げていて格好いい。
山田健太
(専修大学ジャーナリズム学科教授)
この映画は、優しい。だからこそ、柔らかい壁を突き破って自己の内面から顔を出すむき身の悲しみを持て余してしまう。かすかに聞いていた悲鳴が、自分の五臓六腑を引きちぎる痛みに変わる瞬間、まさに「肝苦りさ」を体感することになる。私の映画が「熱い鉄球を投げつけるような」「覚悟がある人しか見られない」ものであるとすれば、平良いずみ監督は優しい人しか登場しないスクリーンを見つめる観客に心を開かせておいて奥に手を突っ込む。彼女の方が「手練れ」だと唸らされた。
三上智恵
(映画監督/ジャーナリスト)
高江 辺野古 平和の礎。少女は歩く。
相次ぐ米軍事故の現場を 少女は歩く。
そして問う。おじい なぜ明るいの?
平良監督は 少女と共に歩き
“ちむぐりさ” という言葉に
沖縄の希望を託した。
橋本佳子
(プロデューサー)
やわらかく、まっすぐ、つきささる。
菜の花さんの問い。
阿部岳
(沖縄タイムス 編集委員)
高校生の3年を過ごした沖縄を素直で心に響く言葉で伝える菜の花さん。この作品を今改めて見ると、頭に浮かんだ言葉は「Okinawan Lives Matter」。
ピーター・バラカン
(ブロードキャスター)
「ちむぐりさ・・・」
眼を閉じて、唱えてみる。
優しい瞳と愛(かな)しい夕陽が瞼に浮かぶ。
「ちむぐりさ・・・」
戦争と平和は、紙一重。
もう一度唱えてみる。
「ちむぐりさ・・・」。
おぞましき境界に、
菜の花が咲いている・・・。
映画が終わったら、
「ちむぐりさ・・・」と、そっと唱えてみてほしい・・・・
阿武野勝彦
(東海テレビ プロデューサー)
全国の人に観て欲しいさ、マジで。もしかすると、どんな報道番組よりもどんな芸術作品よりも、“沖縄”が伝わるかも。脚本では決して描けない沖縄のドラマが、想いが、この作品には詰まっている。
まーちゃん
(沖縄のお笑い芸人 「お笑い米軍基地」主宰)
この映画には振り上げるこぶしも大声のシュプレヒコールもありません。いじめを体験した一人の少女と、沖縄にある基地と向き合う人々との交流。オキナワを論じるのではなく感じる映画です。
市村元
(「地方の時代」映像祭プロデューサー/関西大学客員教授)
石川・能登半島で生まれ、育った少女による等身大の体験的沖縄ガイド。沖縄が置かれてきた状況に向き合う菜の花さんの静かな怒り、そして、涙が胸を打つ。
音好宏
(上智大学 教授)
沖縄の痛み、嘆き、強さを帯びた優しさは苦難の歴史に根差している。そして、その地平には希望の灯火がある。菜の花さんの澄んだ言霊が新たな沖縄の叙事詩をつむぎ出した。平良いずみ監督の情熱と共にぜひ本土の人々に肌で感じてほしい。
松元剛
(琉球新報編集局長)
人間は文字通り、人の間でしか生きられない。災害やコロナ禍でも分かるように、他者への共感力(=ちむぐりさ)が問われる時代だ。この映画を観れば、人々の気持ちを踏みにじる為政者どもは恥ずかしくて消えてしまうのではないか。
隈元信一
(ジャーナリスト•元朝日新聞論説委員)
コロナ禍の今と同じ。自分だけ安全に生きようとウチナーに基地を押し付けるヤマト。美しい海、砂浜、鳥たちをバックに沖縄の痛みに涙する菜の花ちゃんに「私も一緒だよ」と思わずハンカチを目に。涙も出るけど元気も出ます。
松元ヒロ
(スタンダップコメディアン)